イギリスのクリスマスに欠かせない伝統菓子「ミンスパイ」。ヨーロッパのベーカリーやパティスリーに必ず並ぶ冬の定番商品でもありますが、どんなお菓子なのかはまだ日本に馴染みがありませんよね。この記事では、ミンスパイの歴史や言い伝え、どんな食べ物なのか、味なのか、さらにどんな作品に登場するのかまでお伝えします。
あわせて、東京・横浜から日帰りで参加できる神奈川県逗子市で17年続いている「ミンスミートワークショップ・伝統的英国式アフタヌーンティー付き」もご紹介!
ミンスパイとは?イギリスのクリスマスに欠かせない伝統菓子
ミンスパイ(mince pie)は、手のひらサイズの丸いパイに、ドライフルーツやスパイスを使ったフィリングを詰めて焼いた、イギリスの伝統的なクリスマス菓子です。12月になるとイギリスではスーパーやパン屋さんに並び、家庭でもたくさん焼かれます。
逗子でミンスパイの作り方を伝えてくれた、イギリス出身の長島キャサリンさんによると、ミンスパイはクリスマスシーズンにまとめて焼いて缶にしまい、新年まで少しずつおやつとして楽しむもの。日本でいえば、年末年始の切り餅のような存在なのだそうです。
ミンスミートとは?「ミート」なのにお肉が入らない理由
ミンスミート(mincemeat)は、ミンスパイの中に詰めるフィリングのことです。刻んだりんご、レーズンなどのドライフルーツ、柑橘の皮、ナッツを、シナモンやナツメグなどのスパイス、砂糖、洋酒と合わせて作ります。
英語の“mince”は「細かく刻む」という意味。もともとは刻んだ肉と果物、スパイスを合わせた保存食だったことから、この名前が残っています。時代とともに肉は使われなくなり、今では果物が主役のフィリングになりました。ただし伝統的なレシピでは、コクと保存性のために牛脂(スエット)を加えます。(逗子で行われているワークショップでも、キャサリンさんのレシピにならい牛脂を使います)
ミンスパイはどんな味?「好みが分かれる」と言われる理由
ミンスパイは、ドライフルーツの凝縮した甘さに、スパイスと洋酒の香りが重なる味わいです。市販品はスパイスや甘さが強いものも多く、初めて食べた人の中には「思っていた味と違う」と感じる人もいるようです。
一方、手作りのミンスミートは、りんごのみずみずしさが残り、甘さもスパイスもやさしめに調整できます。派手さはないけれど、ほんのり甘くスパイスがふわっと香る、一度食べると癖になる味。市販品で苦手だと感じた方にこそ、手作りを試してほしいお菓子です。
ハリー・ポッターにも登場するミンスパイ
ミンスパイは、ハリー・ポッターシリーズにも登場します。
映画ハリー・ポッターでジニーがハリーに食べさせてあげる微笑ましいシーンで登場し、イギリスの家族の中で親しまれている様子が描かれています。
さらに原作では、ロンのお母さん(ウィーズリーおばさん)が、クリスマスにハリーのために12個の手作りのミンスパイを贈る場面が描かれています。イギリスの伝統にのっとって家族と離れて過ごすハリーの幸せを祈る、「温かいクリスマスの象徴」として印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
「12日間食べると幸運が訪れる」という言い伝え
イギリスには、「クリスマスから12日間、毎日1つずつミンスパイを食べると、翌年は幸せな1年になる」という言い伝えがあります。クリスマスの12日間(Twelve Days of Christmas)と結びついた、昔ながらの楽しみ方です。
ミンスミートは「仕込んで、待つ」お菓子
ミンスミートは、作ってすぐに食べるものではありません。仕込んでから約1ヶ月熟成させることで、果物とスパイス、洋酒がなじみ、深い味わいになります。そのためイギリスでは、晩秋にミンスミートを仕込み、12月にパイに焼き上げてクリスマスを迎えるのが昔ながらの風習です。
- 10月末〜11月上旬:ミンスミートを仕込む
- 約1ヶ月:涼しい場所で熟成させる
- 12月:パイに焼き上げ、クリスマスから新年まで楽しむ
季節を先取りして手を動かし、熟成を待ちながらクリスマスを迎える。その過程そのものが、ミンスミート作りの醍醐味です。
逗子で17年続く「ミンスミート作りワークショップ」
神奈川県逗子市では、毎年この季節に、みんなでミンスミートを仕込むワークショップを開いています。逗子の映画館CINEMA AMIGOの開館当初から続く恒例行事で、2026年で17年目を迎えます。
イギリス出身・長島キャサリンさんから受け継いだレシピ
レシピを伝えてくれたのは、CINEMA AMIGO館長・長島源さんのお母様、長島キャサリンさんです。ロンドンで生まれ、ウェールズで育ったキャサリンさんは、1965年に結婚して逗子へ。おせち料理など長島家の日本の文化を受け継ぎながら、故郷イギリスの料理や暮らしの習慣を家族に伝えてきました。
ワークショップでは、そのキャサリンさんの家庭の味をもとに、ミンスミートを一から仕込みます。本やネットのレシピではわからない、イギリスの家庭で受け継がれてきた手順やコツに触れられるのが、このワークショップならではの魅力です。
緑の庭で、ランチとアフタヌーンティー
会場は、逗子海岸から徒歩圏内の住宅街にある、緑深いシェアガーデン「松の葉」。キャサリンさんの旧友アンさんの元邸宅です。
午前中はみんなでミンスミートを仕込み、作業のあとは庭で少し遅めのランチとアフタヌーンティーを楽しみます。アンティークのティーセットで紅茶をいただきながら、熟成済みのミンスパイやクリスマスプディングの試食も。1日かけて、イギリスのクリスマスをゆっくり味わう時間です。
こんな方におすすめです
- ミンスパイを食べてみたい、手作りしてみたい方
- イギリスの食文化やアフタヌーンティーが好きな方
- ハリー・ポッターの世界のクリスマスを体験してみたい方
- 大人向けの、落ち着いたクリスマスワークショップを探している方
- 湘南・逗子で、季節の手仕事を楽しむ休日を過ごしたい方
2026年 ミンスミート作りワークショップ開催概要
| 日時 | 2026年11月8日(日)10:00〜15:00頃 |
|---|---|
| 会場 | シェアガーデン松の葉(神奈川県逗子市新宿3丁目) ※個人宅の敷地内のため、詳しい場所はお申し込み後にご案内します |
| 参加費 | 9,500円(税込・ランチ&アフタヌーンティー付き) |
| お持ち帰り | ミンスミート300g(パイ約1台分) |
| 持ち物 | エプロン、筆記用具、包丁(可能な方)、ミンスミートを持ち帰る容器と手提げ |
| お子様連れ | 歓迎。小学生以下は無料、中学生以上はランチ代のみ(公式LINEよりお問い合わせください) |
| 主催 | 暮らしの学校(AMIGO KITCHEN 小嶋あゆみ) |
- ミンスミートの追加購入(量り売り)ができます。材料手配のため、ご希望の量をお申し込み時にお知らせください。
- クリスマスプディングは、ご希望の方に当日販売します。
- 天候によっては、ティーパーティーを屋内で行います。
東京・横浜からのアクセス
逗子は、東京・横浜から電車で日帰りできる海辺の町です。最寄りはJR横須賀線「逗子駅」、または京急逗子線「逗子・葉山駅」です。JR逗子駅へは、東京駅から横須賀線で約1時間、横浜駅から約25分で到着します。
ワークショップの前後に逗子海岸を散歩したり、鎌倉・葉山まで足をのばしたりするのもおすすめです。周辺のカフェやお店は、当ブログの早見表記事も参考にしてください。
12月は「ミンスパイを焼く会」も
11月に仕込んだミンスミートは、12月にパイに焼き上げてこそ完成です。毎年12月には、熟成したミンスミートでパイを焼く「ミンスパイを焼く会」を開催しています。パイを焼いたあとは、キャサリンさんから教わったイギリスの伝統的なクリスマスディナーを再現したランチも。こちらも10年以上続く恒例行事です。
2026年の開催情報は、準備が整い次第、公式LINEで先行してお知らせします。
よくある質問
Q. 料理やお菓子作りが初めてでも参加できますか?
はい、大丈夫です。材料を刻んで混ぜ合わせる作業が中心なので、お菓子作りの経験がなくても楽しめます。
Q. ミンスミートにお肉は入っていますか?
ひき肉は入っていません。ただし、伝統的なレシピにならい牛脂(スエット)を使います。食事制限のある方は、事前に公式LINEでご相談ください。
Q. 持ち帰ったミンスミートはどうすればいいですか?
保存の仕方や熟成のさせ方は、当日お伝えします。12月の「ミンスパイを焼く会」に参加すれば、みんなで一緒にパイに焼き上げることもできます。
Q. 一人でも参加できますか?
はい、お一人での参加も歓迎です。毎年、地元の方から遠方の方まで、さまざまな方が参加しています。
Q. 支払い方法は?キャンセルはできますか?
お申し込みページからカード決済ができます。PayPayまたは銀行振込をご希望の方は、公式LINEのメッセージからお知らせください。キャンセルは7日前まで無料、3日前まで50%です。直前のキャンセルは返金できませんが、仕上がったミンスパイとレシピをお渡しします。12月のワークショップへの振り替えもご相談いただけます。
お申し込み・お問い合わせ
お申し込みは、下記の申し込みページからどうぞ。メールが届かないケースが増えているため、お申し込みの際は公式LINEへのご登録をお願いしています。お問い合わせもLINEの個別メッセージから受け付けています。
主催「暮らしの学校」の詳しい案内は、暮らしのレシピ「2026 ミンスミート作り」でもご覧いただけます。
講師・主催について
小嶋あゆみ(暮らしの学校/AMIGO KITCHEN)
映画館CINEMA AMIGOと同時に始まったフードチームAMIGO KITCHENの創立メンバー。CINEMA AMIGOでのランチ提供をはじめ、逗子海岸映画祭、季節のワークショップ、ケータリングなどを手がける。素材や季節、食文化を実体験から学び合う「暮らしの学校」をナビゲートしている。
レシピ提供:長島キャサリンさん
CINEMA AMIGO館長・長島源さんのお母様。ロンドン生まれ、ウェールズ育ち。1965年に逗子へ。クリスマスのミンスパイからおせち料理まで、イギリスと日本の季節の味を毎年つないでいる。


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